CMEグループでの取引がデータセンターの障害により停止

出典：CritpoTendencia 原題：CMEグループでの取引がデータセンターの障害により停止 原文リンク：

シカゴ・マーカンタイル取引所（CMEグループ）でのオプションおよび先物取引が、今週金曜日に一時停止されました。原因は、同グループの電子取引プラットフォーム「Globex」の運用に依存するデータセンターで発生した障害です。この影響は、FX市場、株式、債券、暗号通貨、コモディティなどの分野にも及んでいます。

専門メディアの報道によると、今回の障害は2019年に発生した類似の事例に似ており、その際は技術的な障害により数時間にわたり取引が停止しました。今回も新たな障害により、取引の損失を懸念するトレーダーの間でフラストレーションが高まっています。

この取引所はデリバティブ分野で世界有数の規模を誇ります。実際、毎週数百万件ものS&P500、ダウ・ジョーンズ、ナスダック100に連動する契約が取引されており、これらは前述の取引所で「アラウンド・ザ・クロック」方式で売買されています。

CMEグループの広報担当者によると、今回の取引停止はCyrusOneのデータセンターで発生した冷却設備の問題に関連しているとのことです。このデータセンターは、同取引所にとって重要なプロバイダーです。広報担当者は、取引再開の見通しについてはコメントを控えました。

影響を受けた分野には、米国財務省証券の先物取引も含まれます。なお、欧州市場の債券など他市場の債券は異なるプラットフォームで取引されているため、影響はありませんでした。

CMEグループの取引停止でトレーダーに混乱

専門家によれば、ポジションを保有しているトレーダーにとっては不安な状況です。しかし、その混乱の中でも資金を他のプラットフォームへ移して取引を続ける参加者も少なくありません。実際、今回の障害により大量の流動性が市場から失われている状況です。

「市場最大級の流動性供給源の1つを失った。重要なイベントが起きた場合、価格変動リスクが一層高まる」とATグローバル・マーケッツのニック・トワイドル氏は警告しています。さらなる重圧となっているのは、感謝祭のため米国市場の大半が木曜日に休場していたことです。

これにより、トレーダーたちは取引再開を待ちきれない状況に追い込まれています。一方で、金曜日の米国では大きな経済指標の発表は予定されておらず、通常、金融政策会合前の情報遮断期間により、FRB関係者の発言もありません。

CMEグループの一時的な取引停止は、特に暗号資産業界に大きな影響を与えています。同取引所では、ビットコインやイーサリアム、ソラナなど主要トークンに基づく多数の契約が日々取引されています。

ご存知の通り、暗号資産市場は他の市場と比べて流動性が非常に低い傾向にあります。そのため、CMEの取引停止は仮想通貨にとって非常に深刻な問題となっています。