ポルトガルの労働者の収入:純最低賃金、控除、そして実際の経済状況

ポルトガルへの移住を考えるとき、最初に尋ねられるのは:控除後に実際に手元に残る金額はどれくらいか?ブラジルから来る人にとって、その答えは簡単ではない。2025年のポルトガルの最低賃金の総額は€870/月に達するが、税金や社会保険料を差し引いた**手取り額(税金や社会保険料後)**は大幅に少なくなる。本記事では実際の数字を解明し、稼ぎだけでなく月末に残る金額も示す。

総額と実情:ポルトガルの最低賃金の実態

2025年、ポルトガルは本土の最低賃金を€870/月に設定—2024年より€50の引き上げ。自治領の地域ではやや高め:

  • マデイラ:€913.50
  • アゾレス:€915

これをブラジルレアルに換算すると、為替レート次第で約R$5,580〜R$5,900となる。一見、ブラジルの最低賃金R$1,518と比べてかなりの額に見えるが、控除を考慮すると話は変わる。

必須控除:給料の一部はどこへ行く?

総支給額から主に二つの控除が引かれる:

社会保障:11%の義務 ポルトガルの労働者は給与の11%を社会保障に納める。最低賃金の場合、€95.70が自動的に差し引かれる。

IRS(個人所得税) これはポルトガルの所得税。扶養控除や地域、家族構成によって変動するが、最低賃金だけの人は免税または最小控除にとどまることが多い。ただし、この可能性も念頭に置く必要がある。

実例:手取り最低賃金

  • 総支給額:€870
  • 社会保障控除(-11%):-€95.70
  • IRSなしの場合の手取り:€774.30

扶養控除のない一般的な労働者の場合、最終的な手取りはおおよそ€760〜€780となる。これは社会保障だけで約11%の減少を意味する。

時給とパートタイムの収入

月176時間勤務(週40時間の標準)で計算すると、時給は約€4.94。パートタイムの場合、月収はおよそ€435(同じ控除対象)となる。

資格のある職種(エンジニア、医療、ITなど)は、時給が2〜4倍になることもあり、経済状況は大きく変わる。

業界別の給与変動:全員が最低賃金ではない

最低賃金は法的な最低ラインだが、職種によってかなり異なる:

  • IT専門職:€1,500〜€3,000+
  • 看護師:€1,200〜€1,800
  • 教師:€1,000〜€1,500
  • 販売員:€800〜€1,200
  • 事務補助:€700〜€1,000

この差は移住の判断において重要だ。多くのブラジル人は、ポルトガルでのキャリアを築く中で最低以上の収入を得ている。

実生活コスト:快適に暮らすにはいくら必要か

ポルトガルは西ヨーロッパで二番目に安い国だが、「安い」も相対的。独身者の月額費用は約€1,800、4人家族だと約€3,300。

主な支出:

  • 食費:ファストフード€8、レストランの定食€12、鶏肉(500g)€3.36
  • 住居:T2アパート(85m²)中心部で€1,500以上、郊外は€1,000、スタジオは€750
  • 交通:月間バスパス€35、ガソリン€1.69/リットル
  • 必須サービス:ジム€34、電気・水・ガス€110、医療相談€65

直接比較:ポルトガルとブラジルの労働者

ポルトガルの最低賃金を受け取る労働者は、ブラジルの約3.6倍の名目収入を得る。しかし、生活費も大きく異なる。

**ブラジル:**最低賃金R$1,518、控除は少なく、家賃や食費も地域によって手頃。

**ポルトガル:**最低€870(約R$5,580)、控除は多め(11%の社会保障+場合によってIRS)、家賃や食費は欧州価格だが、公的サービスは充実。

リスボンやポートの家賃・交通費を差し引くと、最低賃金の労働者はやりくりが厳しい。小都市ではより余裕がある。

ポルトガルの最低賃金だけで暮らせるか?

可能だが、重要な注意点がある:

大都市(リスボン、ポルト): 予算管理が厳しい。家賃は収入の40〜50%を占め、余裕は少ない。

中都市: より現実的。家賃が安く、サービスも少し安価。

ライフスタイル: 自炊し公共交通を使い、娯楽費を抑えればやりくりできる。外食や高級ブランドを求めると難しくなる。

給料の伸び:時間の経過とともに

意外と見落とされがちだが、ポルトガルで最初の2年間を過ぎると、給与は上昇しやすい。欧州企業は現地経験や実績を重視。最低賃金からスタートしても、数年後には€1,200〜€1,500に到達することもある。

ポルトガルへの移住は給与面で価値があるか?

判断は複数の要素次第:

メリット:

  • 専門職(エンジニア、プログラマー、医療従事者など)は最低以上の収入を得やすい
  • 安全性や社会保障の充実を求める人
  • 小都市や地方に住む意欲がある人

デメリット:

  • 最低賃金だけで暮らすつもりの人やリスボン・ポルトに住みたい人
  • 欧州市場で需要の少ない資格のない人
  • コスト増に適応できない人

最後に

2025年のポルトガルの手取り最低賃金は€770〜€780程度。これをブラジルと比較しても数字だけでは誤解を招く。重要なのは次の点だ:

  1. どの職種で、ポルトガルでいくら稼げるか
  2. どの都市に住むか
  3. 生活スタイルの変化に対して柔軟か
  4. 中長期的なキャリアアップの見通し

欧州市場で需要のあるスキルを持つ労働者にとって、ポルトガルのチャンスは魅力的だ。最低賃金だけを頼る場合は、計画的に準備し、最初の数ヶ月は副収入も検討した方が良い。

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