金価格は1オンスあたり4200ドル近くに上昇…連邦準備制度の緩和期待感が牽引

金現物(XAU/USD)価格はアジア市場の取引中に買い注文を受けて、1オンスあたり4,200ドルの回復が目前に迫っている。最近、連邦準備制度(Fed・連邦準備理事会)の関係者の発言傾向が通貨緩和方向に解釈され、市場の12月の基準金利引き下げの可能性に対する賭けが再燃し、金価格の主要な支持線となっている。

地政学的緊張が金の「防御壁」役割

ロシア-ウクライナ紛争の不確実性は、金価格の下値を引き続き支えている。プーチン大統領が領土譲渡の可能性を否定する強硬な立場を維持する中、交渉の見通しは暗くなっている。このような地政学的緊張は、投資家のリスク回避心理を刺激し、安全資産としての金の需要を後押ししている。

連邦準備の利下げ再浮上…ドル安構造は依然継続

特に注目すべきは、12月FOMCでの0.25%ポイントの基準金利引き下げの可能性が再び浮上している点だ。トランプ次期政権の連邦準備制度理事会（FRB）議長候補の中に、低金利支持の立場を取る人物が取りざたされていることも、市場の期待感を高めている。これらの要因が、米ドルの反発局面にあっても金価格の下落幅を限定している。

1オンスあたり4,200ドルが分水嶺…テクニカル展開に注目

テクニカルな観点から見ると、現在の状況は良好だ。金価格は、最近の抵抗線である1オンスあたり4,175ドルを力強く突破し、上昇トレンドを再確認している。

上昇シナリオ: 1オンスあたり4,200ドルに定着すれば、今月の短期高値4,245ドルが次のターゲットとなる可能性がある。この水準を突破すれば、上昇ラリーが一段と強まる可能性がある。

下落シナリオ: 調整局面に入る場合、1オンスあたり4,170〜4,175ドルの範囲が強力な第一のサポートラインとして機能しそうだ。このラインが崩れると、4,115ドルまで下落し、極端には200日移動平均線(EMA)が位置する1オンスあたり4,040ドルまで調整幅が拡大する可能性がある。