世界ココア価格が急落:ナイジェリアと西アフリカが市場圧力に対応

世界のココア価格は下落基調に入り、主要な取引拠点では近年最低水準を記録しています。この動きは、需要の減少と供給の堅調さが複雑に絡み合い、市場のダイナミクスを変化させており、ココア価格の予測に影響を与え、特にナイジェリアを含む生産地域に注目が集まっています。業界関係者は、主要生産国の供給制約が最終的に現在の弱気圧力に対抗する要因となるかどうかを注視しています。

ココア先物契約は買い控えにより下落

ICE NYココア(CCH26)の3月先物契約は6.18%下落し、276ポイント減少しました。一方、ICEロンドンのココア#7(CAH26)も6.57%下落し、211ポイント下げました。これで3週連続の下落となり、ニューヨークのココアは2年ぶりの安値を記録し、ロンドンのココアは2.25年ぶりの安値に達しました。

売りの主な原因は、消費者の需要の低迷です。高騰したチョコレート価格が買い控えを促しているためです。世界最大のバルクチョコレート供給業者であるバリー・カレボーは、11月末までの四半期のココア部門の売上高が前年同期比22%減少したと報告し、市場の需要の弱さと高利益率のココアセグメントへの戦略的シフトをその要因としています。

主要消費地域での需要低迷

消費動向は広範な弱さを示しています。欧州ココア協会は、欧州の第4四半期のココア粉砕量が前年同期比8.3%減の304,470トンとなり、予想の2.9%減を大きく上回り、過去12年で最低のQ4実績となったと報告しました。

アジアのココア利用も減少し、同地域の第4四半期の粉砕量は4.8%減の197,022トンとなっています。北米の粉砕量は比較的堅調で、わずか0.3%増の103,117トンと報告されています。地域ごとの需要の差異は、世界的なチョコレート消費の課題を浮き彫りにしています。

国際ココア機構(ICCO)は、2024/25シーズンの世界のココア在庫が前年同期比4.2%増の110万トンに拡大し、価格に下押し圧力をかけていると報告しています。

ナイジェリアの生産減少と在庫増加の悪循環

供給側の動きは、ココア価格の見通しに複雑さを加えています。世界第5位のココア生産国ナイジェリアは、最近数ヶ月で生産量が減少しています。11月末のナイジェリアのココア輸出量は前年同期比7%減の35,203トンでした。さらに、ナイジェリアココア協会は、2025/26シーズンの生産量が11%減の305,000トンになると予測しており、2024/25年の344,000トンと比べて大きな縮小となる見込みです。これは地域の供給ダイナミクスを変える可能性があります。

一方、西アフリカの気象条件は良好で、コートジボワールやガーナでは2月から3月にかけて豊作が期待されています。モンデリーズは、西アフリカのココアのポッド数が過去5年平均を7%上回り、前年よりも大幅に多いと報告し、近い将来の収穫量に自信を示しています。

コートジボワールは、世界最大のココア生産国の一つで、10月から1月中旬までに港に出荷されたココアは116万トンで、前年同期比3.3%減少しました。米国の港で監視されているココア在庫は、昨年12月末の10.25か月ぶりの低水準の162万6,105袋から、最近の取引時点で2か月ぶりの175万2,451袋に回復しています。これは、価格の持続的な回復にとって弱気材料と見なされています。

生産課題と供給逼迫の兆し

短期的には弱気の背景にもかかわらず、世界的な供給の引き締まりがココア価格を支える可能性も示唆されています。ICCOは、2024/25年の世界のココア余剰見通しを142,000トンから49,000トンに下方修正し、2024/25年の生産予測も4.84百万トンから4.69百万トンに引き下げました。

ラボバンクも、2025/26年の世界のココア余剰予測を328,000トンから250,000トンに調整し、供給がより引き締まるとの見方を強めています。これらの修正は、2023/24年の赤字環境から大きく調整されたもので、ICCOはその年の不足量を過去最大の494,000トンと見積もり、過去60年で最大の赤字となりました。2023/24年の生産量はわずか436.8万トンで、前年同期比12.9%減少しました。

規制環境と長期展望

11月26日、欧州議会は森林破壊に関する法案(EUDR)の1年延期を承認し、アフリカ、インドネシア、南米の森林伐採が続く地域からの商品の輸入を継続できるようにしました。この遅延により、短期的にはココアの供給チャネルは維持される見込みですが、最終的には主要商品における森林破壊に関連した輸入規制が導入される予定です。

ココア価格の今後は、需要の安定とナイジェリアや西アフリカを中心とした供給の引き締まりが、現状の弱気圧力に対抗できるかどうかにかかっています。市場関係者は、在庫動向や生産予測を注視し、構造的な供給課題の中で価格安定の兆しを早期に捉えようとしています。

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