先日、パソコンを整理していて、ずっと前のスクリーンショットを見つけた。


時刻は午前2時17分になっていた。
スクリーンショットには、数字の羅列しか写っていない。
口座の含み損益:-31.8万ドル。

その画像を見て、ふとある人を思い出した。彼はアリンという。もちろんこれは仮名だ。
初めて会ったとき、彼は暗号資産の世界に入ってまだ1年も経っていなかった。毎日とても興奮していた。
朝目覚めて最初にすることは相場を見ること。
夜寝る前の最後にすることも、やはり相場を見ることだった。
彼はこう言ったことがある。「ビットコインがまだ値動きしている限り、俺には稼げるチャンスがある」。

その後しばらくの間、相場は本当に良かった。
彼の口座はずっと右肩上がりだった。わずか数か月で3倍になった。
彼は、自分の判断をますます信じるようになっていった。

ある日、彼はその“利益”のスクリーンショットを私に送ってきた。
その後に続いたのは、たった一言だけ。「これからは仕事に行かなくていい」。

私は返信しなかった。彼を祝いたかったわけではない。心配だった。
本当の危険は、損をすることではなくて、「もう損しないはずだ」と思ってしまうときに訪れるからだ。

間もなく市場が反転しはじめた。
一度目の下落では、彼は「ただの調整だ」と言った。
二度目の下落では、彼は買い増しを始めた。
三度目の下落では、彼はもう口座を開く気になれなかった。

その後、あの利益のスクリーンショットは二度と出てこなかった。
代わりに現れたのは、含み損が31.8万ドルになっているスクリーンショットだ。
彼は、本当は消そうと思っていた。でも結局残した。
それは損失ではない。学費だった。

その後、彼は取引をやり直した。最初にしたことは、新しい指標を調べることではない。
パソコンのそばに紙を貼った。そこには6文字だけ書いてあった。「まず生き延びろ、それから稼げ」。

今日まで、あのスクリーンショットを見るたびに、私はある言葉を思い出す。
市場は、あなたがどれだけ稼いだかは覚えてくれない。
でも、市場はずっと試してくる。あなたは、かつて犯した過ちを覚えているのかどうかを。
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