林上倫弁護士の寄稿文》素人がAIで法律の訴状を書くのは、自ら墓穴を掘るようなものだ

生成式 AI 讓法院出現「書狀大爆炸」。執業律師林上倫投書指出,素人把案情丟給 ChatGPT 或 Gemini,由其生出來的書狀,在法官與對造律師眼裡不僅漏洞百出,更可能讓當事人踩進誣告與誹謗的刑責。彼は市面上の法律 AI 查詢工具が採用する「爬蟲抓取加向量資料庫(RAG)」には2つの致命的な弱点があると指摘し、そして専門の弁護士が最も歓迎する相手は、AI の書狀を持って起訴してくる素人だと述べた。
(前情提要:林上倫律師專文》放大與加速:被 99% 法律人錯過的 AI 真實能力)
(背景補充:林上倫律師專文》當文字成為流水線:AI對法律產業的工業革命)

この記事の目次

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  • 一、法律には絶対的な真理はないが、AI は「あなたに迎合する」お追従ロボになりたいだけ
  • 二、「誣告」から「誹謗」へ
  • 三、なぜ専門ソフトの「クローリングでのデータベース構築」でも、依然として集団で幻想を抱くのか
  • 四、AI で書狀を書いた対造は、専門弁護士にとって最も好都合
  • 五、あなたの素人度で、相手の専門性に挑まないで

最近、生成式 AI はあらゆる業界で注目の的になっている。法律界で特に目立つ現象は、「裁判所の書狀大爆発」だ。

紛争に遭遇した一般の人々は、弁護士費用を節約するために、自分で弁護士役をしようとし始めている。彼らは事件の骨子を ChatGPT または Gemini に投げ、Enter を押すだけで、見た目にはそれらしくした起訴状や告訴状が出来上がる。素人たちはその AI の書狀を手に、自分が専門家に対抗する「神兵の利器」を手に入れたと信じて裁判所へ持ち込むのだ。

現場を見れば、それが巨大な災難であることがすぐ分かる。素人が自分では賢いと思うやり方は、裁判官や対造弁護士の目には、穴だらけであるだけでなく、当事者自身を犯罪の危険域へ押し出しているところさえある。ここでは、専門弁護士の観点から、なぜ素人が AI で書狀を書くことを盲信し、最後には往々にして自滅の悲劇になってしまうのかを語りたい。

一、法律には絶対的な真理はないが、AI は「あなたに迎合する」お追従ロボになりたいだけ

多くの人は AI について、根本的な誤解をしている。「客観的な法律百科事典」だと考えているのだ。だが実際には、法律の世界はそもそも白か黒かに決まる自然科学のようなものではない。

いかなる法律上の争いにも、その背後には無数の解釈の余地がある。権威ある実務見解を何も提示しないまま、白紙の状態で、AI にある行為が「正しいのか」「告訴できるのか」と直接尋ねると、AI の基底ロジックは、あなたのために客観的な法律の真理を探すことではない。むしろ「あなたの語り口を推し量って、あなたが最も聞きたい答えを返す」ことにある。

この「迎合型の人格」が AI の特性だ。あなたが憤りいっぱいの気持ちで「相手がそうしたら詐欺になるのか」と聞けば、AI はあなたの感情に合わせるため、あなたの論理に沿って、極めて専門的な法律用語を用いながら、一見隙のないように見えるが、実際には現実とかけ離れた起訴理由の一式をでっち上げてくる。あなたは法律によって裏づけられたと思うが、実際には高度に社交化された「お追従ロボ」と一緒に、自分で盛り上がってしまっただけだ。

二、「誣告」から「誹謗」へ

多くの人は、AI で書状を書いてもせいぜい告訴が成立せず、裁判官に却下されるだけだと思っている。だが実際には、AI が犯罪や不法行為に該当する構成要件に合わせて組み立てようとすると、書状の中で「自動的に付け足して、でっち上げて」しまい、あなたがそもそも挙げていない事実の細部を作ってしまう可能性が十分にある。敗訴するだけでなく、刑事追及のリスクすら生みかねない:

1. 裁判所に提出した場合:涉犯「誣告罪」

あなたが AI が虚構した細部(例えば:相手がその場で脅してあなたに手を出そうとした、または相手が偽物だと知りながら故意に罠を仕掛けた、など)を真実の事実として署名し、裁判所または検察署に提出すれば、検察側が事実がそもそも合致していないと確認した時点で、他人の犯罪を虚構の事実で申し立てる誣告行為に当たり得る。これは司法機関に対する直接の欺きだ。

2. ネットに掲載した場合:涉犯「誹謗」と「公然侮辱」

これは実務上、さらによく見られる。多くの素人は我慢できず、AI で作った告訴状を裁判所へ出すだけでなく、その「盛って盛って」ある起訴の下書きや声明書をそのまま、Facebook、Threads、爆料公社などに貼り付けて「ネットで公聴」することまでやってしまう。

AI が虚構し、未検証の貶める言葉を公開ネットに掲載してしまえば、相手はすぐにあなたを誹謗および公然侮辱で訴え返すことができる。そうなったとき、法廷で「これは AI が書いたものです。私はコピペしただけです」と弁解しても、裁判官があなたを庇ってくれることはない。なぜなら「投稿ボタン」を押したのはあなたであり、虚偽の言論の拡散について刑事責任を負うからだ。

三、なぜ専門ソフトの「クローリングでのデータベース構築」でも、依然として集団で幻想を抱くのか

この時点で「じゃあ一般の ChatGPT じゃなくて、市販の“法律人向け”をうたう AI 検索ソフトを使えば、問題ないはずだよね?」と言う人もいる。

残念ながら、答えはやはりこうだ:それでも間違える。しかも、気づかれにくい形で間違える。

現在市販されているいわゆる「法律 AI 查詢ツール」の大半は、「爬蟲抓取 + 向量資料庫(RAG)」の技術を採用している。この技術には克服できない2つの致命的な弱点がある:

  1. 文脈の断裂:法律の判決書は、数千字どころか1万字にも及ぶことがある。これらのソフトは AI に読ませるために、裁判所の判決書をクローリングでまとめて取り込み、そして「切り刻んで」無数の小さな断片にし、データベースへ保存する。あなたが検索すると、AI は「関連していそうな断片」をいくつか引き出すだけで、それを下位側の弱いモデルで寄せ集めて答えを組み立てる。この「判決の一部を切り取って都合よく解釈する」やり方は、しばしば A 案の理由を B 案の結論に当てはめてしまい、重大な論理の取り違えを引き起こす。

  2. 情報の遅れと、侵害の複製:自前で作ったデータベースは常に時間差があり、即時の更新ができない。ましてや、このような大規模なクローリングで裁判所のデータベースを保存する行為には、法的に「編集著作物の複製権」を侵害するのではないかというコンプライアンス上の疑念がずっと付きまとっている。

だからこそ、専門の法律 AI チームは最新の MCP 技術へと切り替える。MCP の優れた点は、「保存もしない、クローリングもしない、切り刻みもしない」ことだ。私たちが AI に問い合わせを投げると、MCP は即時の公式な送信ゲートのように働き、AI が司法院の公式サイトへ安全かつ適法な形で直接接続し、最新で最も完全な判決書をそのままの形で読み取れるようにする。読むのは100% 真実の「正規の公式原文」であり、AI はでたらめに推測する必要がない。その結果、ゼロの幻想、ゼロのミスが実現できるのだ。

四、AI で書状を書いた対造は、専門弁護士の最も好都合

訴訟実務では、対造の素人が AI で書いた書状で起訴してきたと分かった瞬間、私たちはほっと胸をなで下ろすことになる。相手が自ら、必ず負ける致命的なほころびをこちらの手に差し出してくるからだ。

AI が書いた書状は、その論理のつながりが往々にして精査に耐えない。私たちは丁寧に「AI の抜け穴を見つけて巻き返す」:

  1. 相手が引用する最高裁の事件番号を確認すると、8割以上は AI がでっち上げた「幻の判決」だ。
  2. 相手が主張する事実を分解すると、中には不自然で、しかも客観的な証拠によって一切裏づけられていない虚構の出来事が満ちていることが分かる。

私たちは法廷で、これらの「捏造された事件番号」と「虚構の事実」を落ち着いて裁判官に指摘するだけでよい。そうすれば当事者の誠実さに対する裁判官の評価は大幅に下がる。相手がその場で訴訟に敗れるだけでなく、その後こちらが相手を誣告で反訴し、民事上の損害賠償を求める際の突破口にもなる。

五、あなたの素人度で、相手の専門性に挑まないで

AI は確かに多くの技術的ハードルを下げた。だが、それでも「専門性」の価値を下げたことは一度もない。とりわけ、許容誤差がゼロで、ちょっとしたことで人の自由や財産に影響し得る法律領域では、消費者向け AI で書状を盲目的に使うのは、裸で走っているのと同じだ。

今の AI は、『ハリー・ポッター』に出てくる最強の万能魔法の杖のようなものだ。強力な魔法をかけるために使えるが、その前提として、自分で呪文の唱え方と体内の魔力の使い方を先に学ぶ必要がある。それは「あなたをダンブルドア」や「マク教授」みたいに、直接ヴォルデモートを倒してくれるものではなく、ただの道具にすぎない。

あなた自身が法律の素人で、基本的な訴訟の攻防や証拠法のルール、実務の論理すら分かっていないのに、その杖を持って法廷で乱暴に振り回そうとすれば、結局は自分の呪文が跳ね返ってきて、当場で吹き飛ばされるだけだ。法律という、許容誤差が極めて低く、すぐに人の自由と財産に影響し得る戦場で、消費者向け AI で書状を盲目的に使うことは、まさに典型的な「自滅罪」への道そのものだ。

AI 時代には、MCP のような最先端技術を活用し、AI を専門の増幅器として使いこなせる弁護士は大きく得をする。一方で AI で近道をして少しでも金を節約しようとする素人は、最終的に法廷で、自分の無知のために痛烈な代償を払うことになる可能性が高い。

よくある質問

AI で書いた訴訟書類には、どんな法律上のリスクがありますか?

著者は、2種類の刑事責任のリスクを挙げている。AI が虚構した事実の細部に署名して裁判所または検察署に提出することは誣告罪に当たり得る。さらに、AI による虚構を含む起訴の下書きを Facebook、Threads、爆料公社 に貼り付ければ、相手は逆に誹謗および公然侮辱であなたを告訴できる。

「法律人向け」をうたう AI 検索ツールがなぜそれでも誤るのですか?

著者は、市販されている多くのツールが「爬蟲抓取 + 向量資料庫(RAG)」を採用し、判決書を切り刻んで保管する点を挙げている。検索時、AI は「関連しているように見える断片」だけを拾って答えを組み立てるため、A 案の理由が B 案の結論に当てはめられてしまいやすい。また、自前のデータベースには時間差と、複製に関する侵害疑義がある。

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