米國大統領のトランプ氏が Truth Social に投稿し、「私は 8 か月以内に米国で 450 億ドルを稼ぎました!」と述べた。投稿に付いていた画像のキャプションには、「トランプの Intel への投資は現在、450 億ドルまで値上がりしています!」と書かれている。画像では、トランプ氏が Intel を買い入れた価格はおよそ 20 ドルで、Intel の株価は約 97 ドルまで上昇していることが示されており、キャプション中央では巨大な文字で「45B」と表記され、この投資が 450 億ドルの帳簿上の利益をもたらしたことを強調している。
この投稿が注目を集めているのは、トランプ氏が Intel の株価上昇を自分の手柄として直接結び付けたからだけではない。さらに、Intel が過去数年間、かつて市場から「AI の波を取り逃がした」伝統的な半導体大手として見なされていたにもかかわらず、AI のサプライチェーンの再評価、CPU 需要の回復、先進パッケージの生産能力のひっ迫など、複数の要因の下で、再び市場の焦点に戻ってきていることも理由だ。
エージェント型 AI の台頭で、CPU が再びデータセンターの中核へ
これまで生成系 AI の中心的な物語は、GPU に大きく集中していた。大規模言語モデルの学習と推論には大量の並列計算が必要で、NVIDIA が AI 時代の最も目立つ恩恵を受ける存在になると市場は一時期考え、AI インフラにおける CPU の役割が周縁化されつつあるとも見られていた。
しかし、AI のアプリケーションが単なる文章や画像の生成にとどまらず、「エージェント型人工知能」(Agentic AI)へと進むと、計算需要に変化が生じ始める。エージェント・システムは一度質問に答えるだけではなく、タスクを分解し、ツールを呼び出し、データを読み取り、何度も推論し、複数ステップのプロセスを実行する必要がある。この種のワークロードは大量のデータ移送、複数タスクの調整、システムのスケジューリング、逐次的な演算を含み、まさに CPU が長年得意としてきた領域だ。
NVIDIA も、エージェント型 AI システムの稼働では発生する Token 数が指数関数的に増えるため、「1 ワット当たりの効率」がデータセンターのハード構築における重要な考慮点になると指摘している。企業が長時間稼働し、タスクを継続実行できる AI agent を導入し始めると、データセンターはより多くの GPU だけでなく、エージェントのワークフローの背後にある調整と実行負荷を担うために、より高効率な CPU も必要になる。
これにより CPU は再び市場で値付けされる。米国銀行の予測では、CPU 市場規模は 2025 年の 270 億ドルから、2030 年には 600 億ドルへと倍増する見通しだ。現在は AMD も Intel も供給が逼迫しており、一部製品の納期は最長で 6 か月まで延び、価格も 10% 超の上昇が見られる。アナリストは、シリコンウエハーの生産能力制約が今回の供給危機の主因であり、全体の需給は 2026 年になって初めて明確に改善する可能性があると指摘している。
これは Intel の株価反発における第一の背景でもある。AI は GPU の話にとどまらない。AI infra がモデルの学習からエージェント型の導入へと移る中で、CPU 需要が再び開かれつつあるのだ。
先進パッケージが第二の主軸:Intel の EMIB が再び注目される
Intel が復活するという物語の第二の主軸は、先進パッケージだ。
EMIB は Embedded Multi-die Interconnect Bridge の略で、Intel の組み込み型マルチダイ相互接続ブリッジ技術である。従来の 2.5D パッケージが大規模なシリコン・インターポーザー層に依存するのに対し、EMIB は、パッケージ基板の中に埋め込まれた小型のシリコン・ブリッジによって、複数の die、または chiplet を接続する。Intel は、この構成により追加のシリコン面積の使用を減らし、歩留まりを高め、消費電力とコストを下げられるほか、異なる製造プロセス世代や異なる IP のチップを同一パッケージ内に統合しやすくなると主張している。
アナリストの Jeff Pu は、Intel の EMIB の歩留まりが 90% に達していると述べており、これは Intel Foundry にとって重要な追い風であり、なぜ最近市場で Intel Foundry への信頼が回復しているのかを説明するものにもなっている。さらに報道では、Google の次世代 TPU が Intel の先進パッケージを採用する可能性があることや、NVIDIA の次世代 Feynman チップについても、EMIB 技術との関連が市場で囁かれていること、Meta については 2028 年後半の CPU 計画で EMIB が使われる可能性が挙げられている。
これは、Intel のチャンスが、直ちに最先端製造プロセスで TSMC(台積電)に正面から勝つことではなく、AI サプライチェーンで最も不足しているパッケージ領域で、まず位置を取り戻すことになる可能性を示している。
Citrini Research が先に Intel を強気で見た主要な理由も、まさに先進パッケージだ。Citrini は、市場が過去に AI 半導体の競争を NVIDIA が ASIC で優位、TSMC が Intel で優位、あるいは Blackwell が TPU で優位といった形に単純化してきたが、この枠組みはより深いボトルネックを見落としていると考えている。最後にどの種類の AI チップが勝ち抜くとしても、先進パッケージが先に必要になるのだ。
Google TPU、Amazon Trainium、Meta MTIA、さらには将来 OpenAI が投入するかもしれない自社開発チップであっても、本質的にはマルチ die、多 chiplet、多 HBM の構成へ向かう。これらのチップは互いに完全に置き換え合うものではなく、限られた先進パッケージ生産能力を共同で消費する。
そのため Citrini は、Intel のチャンスは短期的に先進製造プロセスの主導権を取り戻すことではなく、EMIB と Foveros を活用して、TSMC の CoWoS の供給不足によるあふれ(外溢)需要を AI 向けパッケージで受け止めることだと考えている。つまり、フロントエンドの製造は TSMC やサムスンが担う一方で、最後に Intel の先進パッケージ工程へ入ることで、Intel が AI サプライチェーン内で重要な位置を再び獲得することになる、ということだ。
90% の歩留まりは追い風だが、量産の到達目標まで 8 パーセントポイント
ただし、Intel の先進パッケージ復活の物語にはリスクがないわけではない。アナリストの郭明錤氏は、Intel は現在すでに安定して EMIB を生産できる経験を持っているため、開発中の EMIB-T 技術検証の歩留まりが 90% に到達しているのは「前向きだが合理的」なシグナルだと指摘している。とはいえ、Intel 内部では EMIB の生産歩留まり比較の標準として FCBGA が用いられており、現時点で業界の FCBGA の生産歩留まりは約 98% 以上だという。
つまり Intel EMIB-T は、技術検証として重要な門をすでに通過しているものの、90% から 98% へさらに引き上げる難易度は、構想から 90% まで持っていくより高い可能性がある。
一見すると 90% と 98% の差は 8 パーセントポイントにすぎないが、AI チップのような高単価で、大面積かつ多ダイのパッケージ製品では、歩留まりの差はそのままコスト、納期、そして有効な生産量に直結する。とりわけ Google の次世代 TPU Humufish は、依然として一部の仕様が未確定であり、技術検証の歩留まりは最終製品の量産歩留まりとは一致しない。そのため郭明錤氏は Intel の先進パッケージの長期的発展を前向きに見つつも、中短期では Intel が量産の難題をどう克服するかを見守る必要があると注意している。
つまり、Intel の復活ストーリーはすでに市場に買われ始めているが、本当の試練は EMIB-T を作れるかどうかではなく、AI の顧客が求めるコスト、歩留まり、納期、そして規模の条件で安定的に量産できるかどうかだ。
この記事 トランプが投資したインテル(Intel)が 4 倍に跳ねたと自慢:私は 8 か月で米国を 450 億ドル稼いだ 最初に出現したのは チェーンニュース ABMedia。
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